ゆきのまちの短編小説にミスみっけ

ゆきのまち幻想文学賞に応募して落選した短編小説を乗っけようかと思ったが、読み返してるうちに重大なミスを発見した。こいつを直さん事にはアップできそうにない。

投稿した拙作は青森から北海道を目指す貨物列車の話なのだが、その貨物列車はEH500である。

2016年3月26日の北海道新幹線開業に伴い、青森~北海道間を結ぶ津軽海峡線~青函トンネル区間の電力規格は変更された。
このためEH500は上記区間での走行が不可能になり、この区間の運行を新型機関車EH800に譲り渡す事となった。

EH500が稼働を開始したのは1999年。
1990年代当時、EH500は、首都圏~北海道間をワンストップで輸送するために開発された。
首都圏~北海道までを運行する課題は2つあった。一つは首都圏~北海道までの区間で交流直流いりみだれる複雑な電気規格。そしてもう一つは、急勾配の青函トンネルだった。
試作されたEF500は電気規格としては首都圏~北海道まで運行でき、設計時の出力も単体で青函トンネルを通行できるものだったが、技術的問題から量産にはいたらなかった。
当時の機関車は単体で急勾配の青函トンネルを通過することは困難だった。青函トンネルを運行する機関車はいわゆる重連(機関車を2台用いる運行)編成だった。だが、重連編成にはコスト面で多くの課題があった。(JR貨物は鉄道会社各社(主にJR各社)から線路を借りており、JR貨物は運転している機関車の台数分の料金をはらわなければいけなかった)
そこでJR貨物はEF500と同様に直流交流対応型でありながら、より効率的に出力を発揮することができる車体を開発しなければいけなかった。
そして青函トンネルを一車編成で踏破するために、まさかの新規格、「2車永久固定方式」を採用したのだ。
つまりどういうことかというと、

 EF500 □ ← これで一つの車体
 EH500 □□ ← これで一つの車体。車両と車両(□と□)は連結され、取り外すことができない。(JR貨物から鉄道会社へ支払う費用は1車分で済む)

EH500はその生まれから、まさに北海道へ上陸するために作られた機関車だと言っても過言ではない。
EF500が出力を落とされ、2002年にEF510として生まれ変わり、量産された後も、やはりEF510単体では青函トンネルを踏破できず、引き続きEH500が青函トンネルの運行に用いられたのだ。

しかし、20年近くにわたり本州から北海道へ荷物を運びつづけたEH500は、前述したとおり3月26日以降二度と北海道へ上陸することはない。
力強い牽引力と二両連結の特徴的な外見から「金太郎」の異名をもつEH500の任務はこれで一区切り終えたという事になる。
なお、EH500は現在青函トンネルより過酷な、本州と九州をつなぐ関門トンネルの運行にも用いられている。

そんなEH500に捧げる鎮魂(死んでないけど)の短編小説……というイメージで書き始めた拙作なのだが、別にEH500は引退したわけでもなんでもない。それどころかバリバリ現役であるし、これからのJR貨物の主力機関車として更なる生産計画もあるという……まったく悲壮感がない。
しかも、新型のEH800はほぼ青函トンネル間だけの運用だし、ぶっちゃけEH800とEH500は外見がほとんど変わらない……


EH500


EH800

外見的な違いは車体サイドのペイントと、パンタグラフの形状くらいだろうか……

で、拙作の話に戻るが、読み返してみるとミスもそうだが、大してEH500へのリスペクトが感じられない。
ということで書き直そうかな、と思った。
ゆきのまち幻想文学賞は応募文量の上限が400字詰め原稿で10枚なので、かなり内容をきりつめてしまい、書きたいものがぶれているのだ。

“ゆきのまちの短編小説にミスみっけ” への4件のフィードバック

  1. こんにちは。
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    1. 鍵付きさん

      管理人だけ表示機能使っていただいてありがとうございます。
      子供の時から機関車好きなんですよね。「機械」って感じが素晴らしい。
      鉄道ジャーナルのバックナンバーとにらめっこしながら話を考えてます。

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