なろうからコピペすんのめんどくせぇんだよな。
ユニへんはいったんここで小休止ししてアリサ編にいきます。
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「“僕”でいいのか。奇妙な発音の一人称だな」
「奇妙だろうがなんだろうが、男の子の一人称はそれだよ。それで、あなたの名前は?」
うかれすぎているのが自分でもわかり、どこか気持悪い。
「今この場には2人しかいないから、一人称と二人称があれば会話するのには充分じゃないのか?」
自分が理屈っぽいせいだろうが、少年の理屈っぽいところにも、どこか共感がもてた。
「今はこの場にいないけど、私の仲間と合流したらどうするつもりなの?」
「その可能性は低い。僕はいつまでもあなたと行動をともにするわけではないし、万が一、行動をともにする時間がながびいたとしても、君の仲間がそれまで生存しているかは分からない」
「プロジェリアに殺されるって事?」
「…………」
私は、少年の様子がややおかしくなっていることに気付く。何かに苦しんでうめき声をあげはじめる。
「どうした? 苦しいの?」
「……一つだけ言える事は、僕のこの自我は、作られた物で、僕自身ではないという事だ」
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私は少年が言った言葉を理解できない。私はヒステリックに叫んだ。自分の中にこんな感情がわいてくるなんて、不思議だった。
「名前、名前を教えて! あなたの名前を!」
名前を聞かなければ、目の前の少年が消えてしまいそうな気がした。
「名前? 名前なんて僕には……」
「あるでしょ、名前! プロジェリアだって一体じゃないんだから、個体を識別するために名前があるはずじゃない!」
「僕はプロジェリアじゃない……」
「どういう……こと?」
私はずっとこの少年をプロジェリアだと思っていた。老場を展開している事から考えても、私は彼がプロジェリアである事を疑いもしなかった。
「僕はプロジェリアが何かの目的のために作り出した存在……だけど、僕はその目的をまだ知らない……ただ、僕を作り出したプロジェリアは、セバキという個体名称らしい」
「セバキ! 一体あなたの体には何が起こっているの?」
私はようやく知る事ができた彼の名を、力強く呼ぶ。
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私の問いにセバキは力なく首を振る。
「僕に何が起こるのか、正確なところは分からない。ただ、僕を操るプロジェリアは、僕の意識を、消そうとしている」
「死んだはずのプロジェリアが、あなたの意識を消すことができるの?」
「分からない。プロジェリアが僕に何をさせようとしているのか、死んだはずのプロジェリアがどこまで僕に干渉することができるのか……何も……」
私は、しゃがみ込んだセバキの肩に手を置いた。触れて一秒もしないうちに、プロジェリオン・フィールドの影響で指がボロボロと砂のように崩れていく。
「僕が、消える……」
そしてセバキは口を閉ざし、また獣に戻る。怒りに満ちた瞳で、獣のように吼える。
すぐには気づかなかったが、私とセバキは閉じ込められていた。四方50メートルの範囲に、何らかの力場が存在し、私達はその力場の外側に出て行けない。
獣になったセバキは隙をみては私に襲いかかり、争いになる。時折セバキは意識を取り戻し、会話を交わす。
いつしか私達は協力し合い、この力場から脱出する方法を模索しはじめた。