ロボコップ1987と2014

最近ブルーレイのロボコップ見たらなんか2014年に公開されたリブート版ロボコップ見たくなったので借りてきた。

2014年3月に公開された新ロボコップ。もう十回近く見ている。
はじめに俺のポジションをはっきりさせておこう。
俺が好きなのはもちろん初代ロボコップであり、至高だと考えている。その中でロボコップ2014(以降リブート版はこう呼ぶ)は批判的な意見が多い。
しかしロボコップという一大サーガ(3まで作られてるし、テレビドラマもあるからこういっちゃっていいよね)の中で初代の次に面白いのは2014ではないかと私は思うのだ。

だってあなた、2見たことありますか? ただグロくて皮肉が聞いてるだけですよ。3見たことありますか? ロボコップが火噴いたり空飛んだりするだけの映画ですよ。オメー、オモチャ会社からいくらもらったんだよっていう、オモチャを売ろうという気迫だけの映画ですよ。更に、テレビドラマシリーズ「プライム・ディテクティブ」を見たことありますか? パーツの供給もままならなくなったロボコップがしょぼくれてるドラマですよ。そんなロボコップ見たくなかった!

そんな屍累々のロボコップ・サーガの中で比較的マシな作品がロボコップ2014ですよ。分かりますか? ロボコップ2014に対しては批判的な意見も多々ありますが、散々冷や飯を食らわされ続けたファンに与えられた比較的マシな続編なのです。だからもっと楽しめよ!
最初のイランのシーンは本当に必要だったのか? とか。家族が待ってからロボコップの悲哀が感じられないとか。デトロイトが凶悪犯罪だらけの末期的な都市にはとても見えないからロボコップの必要性が感じられないとか。ロボコップがそもそもそんな活躍してないと 。ビルの屋上のラストバトルが全然盛り上がらないとか、そんなダメな所ばかり見るのは止めようよ! もっと良いところ見ようよ!
例えば、なんだ……昔のロボコップよりキビキビ動いてるよねー、バイクかっけーよね、とか。

ドラマ部分に焦点を当てると、前半はワクワクさせるものがあると思うのだ。
初代はダイジェストだったロボコップになっていく過程を2014では丁寧に描いている。これはハードウェア的な面ではなくソフトウェア的な話だ。初代は記憶を消され、完成してすぐマシーンとして現場に送り込まれた。2014はロボコップとして目覚めた時点で意識は人間そのもので記憶も残っている。
ある狂人によれば、狂うことそのものは恐怖ではないらしい。怖いのは狂っている最中に正気に戻ることだという。2014のアレックス・マーフィーは科学的にかつ強制的に正気に戻される苦痛を味わう。目が覚めたら自分がいきなり醜い金属の塊になっているのだ。これは苦痛以外のなにものでもない。最初は「よくできた夢だ」とか言っていたマーフィーも取り乱し、暴走する。

悲痛に「説明してくれ」と懇願するマーフィーに突きつけられる現実は更に容赦がない。
残っている体のパーツは心臓と肺と顔面を含む頭部。それから社長の気まぐれで残された右手だけ(腕は切り落とされ、手首だけ残っている)。むき出しの脳みそも所々が欠け、一部をチップがおぎなっている。
「何も残ってない!」
マーフィーは悲痛に泣き叫ぶ。そして、
「死にたい……」、と力なくつぶやく。

旧作はロボットだったマーフィーが徐々に人間性を取り戻していく話だった。
2014は、戦闘に人間性が「邪魔だ」と判定され、徐々に人間性を奪われていく話である。すさまじく恐ろしい。そして人間性を失っていくほど確実にロボコップは強くなっていく……

というところまでは面白かったんだけどねー
その辺の流れもクライマックスまでの話にはいまいち生かされず……
なんかすげー尻すぼみな映画になってしまった。

他見所と言えばロボコップを作り上げたノートン博士の異様さくらいだ。
「戦闘用アプリケーションは作らん!」と言っておきながら社長命令に従って嬉々として(少なくとも俺にはそう見える)マーフィーの人間性を奪い戦闘力をあげていく。
悪いヤツかと思っていると社長を裏切ってロボコップに味方したりする。
かなり分裂した性格である。「なんとかして良いヤツのように見せよう」という制作側の意図も感じるが、それがかえって不気味さを増させていると思う。

そんなロボコップ2014だか、全米収益は散々な結果で、外国収益(例えば中国とか)を合わせてようやく黒字になったという。続編はないかなー……と思っていたがどうやら企画はたちあがっているらしい。

是非ともこの調子で続編を、と思う。旧作の2は駄作だと思っているが、2014の淡々とした調子で続編を作れば化ける可能性もある。是非ともロボコップ・サーガの復権を成し遂げてほしいものだ。

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