繰り返しになりますが、私自身もこの先どうなるのかまったく分かりません。(考えてない)
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「機動生命体」
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叩きつけられた直後、プロジェリオン・フィールドで岩盤が崩落していく。砕けた岩盤が砂に代わり、私の視界を覆い尽くす。
「ユニ!」
都市に根を張る無数の地下空洞をぶち抜いて、私は少年と共に、落下とも加速ともつかない奇妙な移動を続ける。
私はブレーキをかけるために、何でも良いから目についた物をつかむ。掴んだのは地下鉄のエスカレータの手すりだ。触れただけで老場プロジェリオン・フィールドの影響でボロボロに砕け散る。
「いい加減に……しろ!」
握った手のひらの握力で右手が崩壊するが、拳はすぐに再生を始める。活発な新陳代謝を繰り返すため、再生中の部位は高熱を放つ。滓が燃えて、煙に代わる。
私は再生中の拳を目の前の少年に叩きつける。
「キィアアアアアアアァァァァァァァァァァッッ!!」
でかい鳥が鳴いているみたいだった。
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なんだこいつは? 目の前の光景に、私は驚きよりも嫌悪感が強い。砕けて半壊した少年の顔はすぐさま再生を始める。損傷した組織がはがれ落ち、そこから皮膚を突き破りトラス構造の骨格が現れ、骨格の上を繊維が交差し、皮膚を形成していく。
まるで、私達の、機動生命体の損傷回復を録画して見せられているかのようだ。
機動生命体はプロジェリア・フィールドを上回る再生力をもってプロジェリアを倒すために作られた。それを模倣した目の前のこいつを倒すために必要なのは、再生力を上回る破壊で殲滅することだけだ。
私は目の前の敵を効率よく殺すための武器を考えた。人と似た形をしており、外殻は人間と同様か、多少強度がある程度。
創発を、はじめる。
私は胸部から肋骨を開き、肋骨を急激に成長させ、目の前の敵に突き刺す。1~12本までの骨が敵の外殻を突き破り、植物が土に根をはるように急激に成長し、敵の内部を張り巡らす。