サイボーグ化が進む

毎週毎週、麻酔を打たれ、体を削られ、改造されている。
主に、歯の部分だ。体を人工物に置き換えられているわけだから一種のサイボーグ化といえなくもないが、全然かっこよくもなんともない。
元々ずぼらな性格のせいで虫歯だらけだ。前歯以外ほとんど虫歯。削られていない歯の方が少ないくらいだ。

知りたい事ややってみたい事は多々ある。元素の勉強も進めたいが、最新の分子生物学の動向も気になり、農業も気になるし、毒物についても気になる。購入した専門書は軽くつばをつけた程度でほったらかしになっている。あまりよろしくない。
そんな状態なのに、ちょっとやってみたいことがあってNode.jsをインストールしてしまう。
Node.jsとは、サーバサイドで実行できるJavaScriptライクな言語だ。これでDOMをやるととても便利なのだ。サーバサイドで実行するからクライアントを立ち上げる必要がない……と思う。何しろとっても簡単そうなサンプルプログラムも実行できずに躓いているくらいなので、DOMまでいけるかどうか分からない。

さて、本日の更新。
アーカイブはこちら。
「機動生命体」

#0000,0010,1010
前腕から引き起こした刃で、プロジェリアを貫く。
最初に遭遇したプロジェリアを破壊した時は、中から人間の少年が出てきた。正体は分からないが、プロジェリアはエントロピー増大の加速により、何らかのエネルギーを得て、体内に蓄えている。少年のような異質の物体を作りだしたことからも考えて、そのエネルギーが生存のためだけに使われているとは考えにくい。
綺麗に製本された図書は、一度ページがほどけバラバラになれば、本に戻る事はない。1から100まで整然とページ数が振られた状態は一つしかないが、ほどけたページがデタラメに並ぶ可能性は無数にある。
エントロピーの増大。
あらゆる物質はそれから逃れられない。唯一の例外は、エントロピーに追いつかれるよりも自分の体を再構成する、存在。すなわち、生物だけだ。
体を破壊され、プロジェリアの分解がはじまる。
私は目の前のプロジェリアが変態する様を見ながら一つの結論に至る。プロジェリアの目的は、内部に超高圧・超高温のエネルギーをため込む事などではない。
地球上の生物と同様に、より長く、エントロピーに対抗するために進化した結果に過ぎないのだ。

#0000,0010,1011
七本脚のプロジェリアの正十二面体を構成しているプレートが床に散らばる。落下しても音すら立たないのは、質量があまりにも軽いからだろう。
排出し続けたエントロピーが、逆流しているのだろうか。目の前の出来事は、そう表現するしかない。
プロジェリアの体は、残骸を素粒子とガスに変え、凄まじい速度で、拡散する。いくつかの粒子は私の表皮をすり抜け、体内へ入り込むが、転換炉の磁場で逸れるか、その場で崩壊する。
一部の粒子は四次元に入り込んでいるせいか、拡散の動きが分断されている。花火の炸裂する瞬間を巻き戻して、何度もループで見せられているかのようだ。粒子の塊は、心臓の鼓動のように、拡散と縮小を繰り返しながら、薄れていく。
このプロジェリアは、何も残さずに死んだ。
少年を生み出したあのプロジェリアは、なぜ、人間のような存在を生み出したのか。人間が子供を産むように、自らのエネルギーを次代にたくしたとでもいうのだろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Protected with IP Blacklist CloudIP Blacklist Cloud